特殊清掃業者が気づいていないヒドロキシル発生器の性能とは

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当協同組合が「ヒドロ工法」にて特許取得したことで、ヒドロキシル発生器を知ったが実際のところ、どんな機種があって、どんな性能なのか?気になっている特殊清掃業者も少なからず存在していることでしょう。この記事では、同じ除菌消臭器であるオゾン発生器とヒドロキシル発生器を比べた性能差を語ります。

目次

アメリカではオゾン発生器よりもヒドロキシル発生器が主役

ご存知のように特殊清掃の先進国アメリカは非常に訴訟の多い国です。過去にもアメリカではオゾン発生器を活用による訴訟が多数あり、その実例からホテル、レストラン、病院、スポーツクラブ、工場、ペットショップ、農作物、動植物の飼育場など多くの場所ではオゾン発生器を使わない傾向で、除菌や消臭が必要な場合はヒドロキシル発生器の活用が主役となっております。

除菌消臭器の主役
日本オゾン発生器
アメリカヒドロキシルラジカル発生器

オゾン発生器とヒドロキシルラジカル発生器は何が違うの?

オゾンは紫外線や雷の放電などから発生する気体(O3)です。一方、ヒドロキシルラジカル (hydroxyl radical) はヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカル(OH )と表される。どちらも自然界で存在しておりますが、室内空間では自然発生できないため、機械を使い人工的に生成させます。その機械は「オゾン発生器」と「ヒドロキシルラジカル発生器」になります。双方とも優れた酸化力があり、除菌や消臭に適していますが異なる性質もあります。

対象ヒドロキシルラジカル発生器オゾン発生器
人体稼働中も室内に入れる酸化性ガスの為、高濃度になると人体に有害
動植物・食物稼働中も問題なし高濃度になると動植物・食物に有害
革製品稼働中も問題なし劣化する可能性あり
天然ゴム製品稼働中も問題なし劣化する可能性あり

厚生労働省の定める作業環境基準値では、オゾン濃度 0.1ppm以上で人体に有害であるとされています。原則としてオゾン機が稼働中無人空間での使用となります。そして、オゾンは天然ゴム製品や革製品を劣化させる恐れがあります。しかしヒドロキシルラジカル発生器なら稼働中も有人空間での使用が可能となります。

オゾンや刺激の強い化学物質とは異なり、ヒドロキシルは人、ペット、植物にとって完全に安全です。ゴム、プラスチック、皮革、ビニール、電子機器、その他の敏感な素材を傷つけません。また、濡れても乾いても漂白したり変色したりすることはありません。

ヒドロキシル発生器は性能表記がオゾン発生器と異なる

日本の特殊清掃業者の多くがオゾン発生器を使用していますが「オゾン発生量」+「ファン風量」を性能基準ととらえている人も多いと思います。またその性能によって何平米くらいまでは、除菌消臭できること考えていることでしょう。

一方、ヒドロキシル発生器は家庭用なら日本でも市販されておりますが、業務用となればアメリカ製品が多く、オゾン発生器の「オゾン発生量」に匹敵する「ヒドロキシル発生量」はどこのヒドロキシル発生器のカタログにも公開されておりません。但し、何平米まで対応できる機械なのか?カタログに記載されていることは良くあります。

ヒドロキシル発生器の王道「ODOROX BOSS XL3」とは

「Odorox社のBOSS XL3」日本でも市販されており、人気No1のヒドロキシル発生器

このBOSS XL3は、単体ではヒドロキシルを発生できません。必ずエアームーバー(サーキュレーター)をドッキングさせる必要があります。室内空間で活用する場合、この機械1台で約250平米まで対応可能です。おそらく日本で入手できるヒドロキシル発生器では最強の部類でしょう。

小型のヒドロキシル発生器「OH Air Myspace」とは

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「OH Air Myspace」つい最近まで日本でも市販されて人気があった機種

室内空間で活用する場合、この機械1台で約69平米まで対応可能です。ボディカラーは黒と白があり、つい最近まで日本で市販されていた時は、20万円台だった価格の安さもあり人気機種でした。

特に(OHラジカル)ヒドロキシルラジカル発生器が優れている効果とは

実は空気中のニオイだけでなく、ソファやカーテン、壁紙などについてしまったニオイまで脱臭できるのです。これはオゾン脱臭作業では苦手とする分野です。当協同組合の事務所へ孤独死現場にあったニオイがきつい布地のソファを持込んで脱臭の実験を行いました。最初は、日本製や外国製のオゾン発生器で試したが、全く消臭できませでした。次にヒドロキシル発生器「odorox BOSS XL3」で試したところ、30分でほぼニオイが無くなり、3時間後には全くニオイがしません。

しかも理事会を行っている最中で有人状態での消臭作業でした。この時に私たち組合員一同はヒドロキシルラジカル発生器が非常に優れた性能であることを実感しました。

業務用のオゾン発生器は、発生する高濃度なオゾンが機械を痛める

業務用のオゾン発生器に限りますが、高濃度なオゾンは数日間の稼働でオゾン発生器そのものも攻撃していまい、機械を痛めてしまいます。

ヒドロキシル発生器は、人体や動植物にも安全なヒドロキシルを発生するため、数日間の稼働でも機械そのものを痛めることはありません。

ヒドロキシル発生器なら施工時間の短縮になる

孤独死現場等では、1日も早く引渡ししたいと考えている不動産管理会社や家主様も多いことでしょう。ヒドロキシル発生器を活用することで、初期の除菌消臭対応や遺品整理の時から人体にも影響無いヒドロキシルを発生することができ、将来のオゾン発生器を活用していた時より、施工時間を短縮できます。

環境を考えなければならない時代に最適なヒドロキシル発生器

日本では除菌消臭器と言えば、オゾン発生器が主役となっております。まだ日本での認知度は低いですがヒドロキシル発生器は、環境にもやさしく更に効力の高い結果がでる為に、現代社会に求められる最適な除菌消臭ツールです。SDGsな現代社会と非常にマッチしており、大手企業などと業務提携を考えている特殊清掃業者にとって最強の武器となるでしょう。

建物を傷めないヒドロキシル発生器

業務用の高濃度なオゾン発生器を活用している特殊清掃業者なら、孤独死現場等の消臭作業後にオゾン発生器を回収したら「トイレの換気扇の天然ゴムが劣化して床上にゴムがバラバラに落ちていた」など、ゴム製品の劣化を何度か目撃したことがあると思います。あるいは家の中にあった革製品が「オゾン脱臭作業でボロボロになった」経験をした方もいることでしょう。もしヒドロキシル発生器を活用したなら、こんな住宅や革製品へのダメージは一切ありません。

地下でも使えるヒドロキシル発生器

業務用の高濃度な「オゾン発生器」は換気できない場所の活用に向いておりません。そのため一般的に窓の無い地下で使うには向かないと言われております。しかしヒドロキシル発生器はオゾン発生器のように残臭が無い為、地下での利用には非常に向いております。

まとめ

この記事ではあまり同業者に認知されていない「ヒドロキシル発生器」(OHラジカル)を取り上げました。少しは「オゾン発生器」と「ヒドロキシル発生器」の違いが理解されたでしょうか?これから特殊清掃で「ヒドロ工法」(特許第7429340号)を扱い、安心安全で技術が高くユーザーに歓迎される施工をしたいと考えている方は組合員の加入を歓迎しておりますので、お気軽にお問合せください。

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この記事を書いた人

(東京都)マインドカンパニー合同会社、代表社員の鷹田です。
清掃業界の先進国であるアメリカへ渡り、IICRC認定資格のTrauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)やFire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)を学んでおります。当協同組合では、理事とサイト管理者を務めております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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