特殊清掃業者の選び方で相見積もりが失敗する理由とは

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孤独死が発生した!事故事件が発生した現場等で特殊清掃業者をお探しではありませんか?またその際に「相見積もりをすれば理想の業者に巡り合える。」更に「理想の業者に巡り合えないとしても業者選びで失敗することは避けられる。」相見積もりこそが業者選びの最善策であるとお考えではありませんか?実はこの考え方で多くのユーザーが特殊清掃業者の選び方で失敗しております。この記事では良い特殊清掃業者選びで相見積もりが通用しない理由と改善策を提案していきます。

目次

そもそも相見積もりの特徴とは

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することです。相見積もりのメリットは、業者間で競争が生まれることで、より良いサービスや価格を得ることができる点です。もし同等の技術レベルや同等の作業内容(サービス)なら、比較検討の価値はあると思います。しかし特殊清掃業者を比較検討する際にあなたは同等の技術レベルなのか?同等の作業内容なのか?それらを見抜く判断力をお持ちでしょうか?これらの判断力が正確にできるのなら、相見積もりを行う価値は十分にあると思います。残念ながら実際問題として、多くの一般ユーザーが各特殊清掃業者の技術力を見抜く判断力は無いと思います。

相見積りすれば、良い業者に巡り合うという安易な常識が失敗を呼ぶ

多くのウェブサイトを見ていると「相見積もりで業者選定することが、良い業者を見つける最善策である。」と記載しておりますが、これには「同じ作業内容、同じ技術レベル、同じ設備条件ならば…」という注意書きがありません。意図的に記載漏れしているのか?単に書き忘れなのか?真意は分かりませんが、この注意書きが無いから、多くのユーザーに誤解を与えていると思います。多くのユーザーが特殊清掃業者は、ほとんど同等の技術レベルであると勘違いしており、特殊清掃業者選びで失敗している一つの要因だと思います。

特殊清掃は業者ごとに実績・実力が大きく異なり比べるポイントとは

これは事実ですが、全国的に見て特殊清掃は業者ごとに技術・知識・作業工程などが大きく異なります。一般ユーザーにとって残念なお知らせではありますが、完全消臭できる特殊清掃業者を目安でいうと都心などの首都圏では30%以下、地方では10%以下の比率程度です。そのため、数多くの特殊清掃業者と相見積もりすれば、あなたの理想の業者と巡り合えるという常識(発想)は捨ててください。見積もりに呼ぶ業者の選定から慎重になる必要があります。ここでは見積へ呼ぶ業者のウェブサイトや見積書の比較ポイント、契約書や臭気測定器の有無が重要であることをお伝えします。

特殊清掃業者は薬品や機材などの設備が足りない場合もある

残念ながら特殊清掃業者によっては、作業に必要な薬品や機材などの設備が足りない場合も見受けられます。そのため、実際に持ち合わせある薬品や機材などで試行錯誤して作業をやろうとしていますが、仕上がりが不十分となることも多いです。どんな作業にも差し支えないように設備が充実しているのか?薬品や機材などの設備が十分なのか?そんな視点で業者のウェブサイトを見てください。もしウェブサイトにこれらの設備が掲載されていないようでしたら、見積へ呼ぶ業者リストから外した方が賢明です。

特殊清掃業者の告知は「作業経験3,000件」など事実と異なる宣伝も多い

ウェブサイトには有りもしないことを自由に掲載できるというデメリットがあります。一般ユーザーから見たらデメリットでしかありませんが、人を騙そうとする特殊清掃業者にとってはメリットと考えられております。ほとんど詐欺みたいな行為ですが、実力の無い特殊清掃業者ほど、背伸びした実績の数を公開することが多いです。一般ユーザーは簡単に騙されるでしょうが、本当にそれだけの実績があるのか?ウェブサイトを隅々まで見てください。きっとそんな視点で業者のウェブサイトを見たら嘘を見抜ける筈です。この実績は怪しいと感じたら、迷わずに見積へ呼ぶ業者リストから外しましょう。

許認可や資格の有無で判断する

特殊清掃ではどの現場も許認可が必要な訳ではありません。特殊清掃作業での廃棄物は主に産業廃棄物となります。また工事の金額が500万円を超える場合は、建築業許可(内装仕上げ業)等が必要となります。アスベストがある現場を工事する際には、石綿作業主任者が必要です。そして特殊清掃に関連する資格も多数ございます。世間一般から見て資格の重要性は以下のように判断されると思います。

  1. 国家資格
  2. 国際資格
  3. 民間資格

今現在、特殊清掃に関連する国家資格は存在しておりません。国際資格は、日本で受講できないことが多く、本気度が高い特殊清掃員が所持している傾向にあります。民間資格は、脱臭マイスターや事件現場特殊清掃士などが一般的となっております。許認可や資格の有無が気になる場合は参考にしてください。

特殊清掃業者は作業工程が大きく異なる

見積書を見比べた際に「これは安い!」と慌てて金額だけで比べない方が良いです。見積書では「作業工程」を隅々まで見ましょう。当然「作業工程」が多い方が見積金額は高くなります。特に完全消臭するなら、多くの「作業工程」が必要となることが場合が多いです。単に「安い見積金額は必要な作業工程を省いている」ことも少なくありません。当然、必要な作業工程を省いていると消臭や清掃の仕上がりに大きな差が生まれます。そんな視点で見積書を見てください。

見積書以外に「発注書」や「契約書」を確認する

見積書法的な効力はありませんが、取引条件を提示する重要な書類です。
発注書依頼する側の一方的な意思表示に過ぎないため、法的効力はありません。
契約書依頼する側と依頼される側の双方が合意した証として発行される文書のため、法的効力があります。
法的効力あるのは契約書のみ

信じられないことに「作業請負契約書」無しで口約束だけで作業を受付する特殊清掃業者も存在しております。そんな業者に作業を任せると後に依頼者と業者間でトラブルが発生する可能性大となります。作業成約後に「契約書を用意していない」など怪しいと感じたら、迷わずに作業依頼をお断りしましょう。

臭気測定器の有無を確認する

特殊清掃の最終目的は、綺麗さと臭いの問題を解決することです。綺麗さは見た目で誰にでも確認できます。しかし臭いの問題については、作業前と作業後に人間の感覚ではなく、臭気測定器等で臭気値の見える化が望ましいと思います。臭気値は人間の感覚だとその日の体調、フラッシュバック等によってあまり参考基準にならないことが多いです。そのため、機械による臭気測定の方が正確です。当然、「臭気測定器が無い」業者の場合、迷わずに見積へ呼ぶ業者リストから外しましょう。

まとめ

私たち協同組合は、安易に「相見積もり」することをお勧めしません。なぜなら特殊清掃業者選びの相見積もりで沢山の失敗例を見てきたからです。そのため、この記事では業者選びに必要な視点をお伝えしました。実はこの視点で各業者のウェブサイトを見れるようになると、相見積もり以前に良い特殊清掃業者と巡り合える可能性が高くなると思います。相見積もり以前にどんな視点で業者の良し悪しを判断すればよいのか?これがもっとも大切だと考えております。この記事によって最良の出会いを生むことができたのなら幸いに思います。また特殊清掃についてお悩みの際は当協同組合でもご対応しております。

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この記事を書いた人

(東京都)マインドカンパニー合同会社、代表社員の鷹田です。
清掃業界の先進国であるアメリカへ渡り、IICRC認定資格のTrauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)やFire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)を学んでおります。当協同組合では、理事とサイト管理者を務めております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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